ある日突然、おでの脚がなんか腫れてたの!
突然のことできっと飼い主さんもビックリしてしまうと思うのじゃ。でもまずは落ち着いて、症状と様子をよく観察することが大切なんじゃよ。
キッドくんの左前脚が腫れている……
キッドくんいつもの健康チェックの時間、左前脚が腫れていることに気づきました。
キッドくんが生後8ヵ月の出来事です。
その時につぶやいたTwitter記事がコチラ⇩
【教えてください🦔】
— 🦔キッド🦔 (@chuchu_0612) March 24, 2019
キッドくんの左前脚が昨日の夜から少し腫れています。
見た目は白いぷつっとしたものが中心にあり、周りが赤く膨らんでいる感じです。
食欲があり歩き方も普通で痛がる素振りもないので今は観察しています。
このような症状になった、見たことがあるという人は教えてください🙇♀️ pic.twitter.com/FlP0cVKpmi
・左前脚の一部が赤く腫れている
・中心に膿のようなぷつっとしたデキモノがある
・痒みはなし
・歩行は通常通り
・脚を気にする素振りもなし
・食欲もいつもと変わらず旺盛
見た目と反してキッドくんは元気そうでしたが、何かあっては大変なのですぐに動物病院へ連れて行きました。
病院では丸まって患部を見せてくれない恐れがあるので、スマホで患部を撮影しておきました。
これがすごく役に立ったので、病院を受診する際は症状や患部の状態がわかる写真や動画を撮影しておくことをオススメします!!
そして結論から言うと、キッドくんは膿皮症でした。
触診して患部を診たドクターからすぐに告げられた病名。
念のためダニとカビの検査も行いました。
あまり耳慣れない病名なうえ、ハリネズミの飼育本やサイトにもあまり書かれていなかったのでとても不安でした。
膿皮症ってどんな病気?腫瘍とは違うの?
膿皮症は犬に起こりやすい病気とされている皮膚疾患です。
本来ハリネズミの中にいる常在菌が、何らかの理由によって異常に増えてしまったため皮膚に湿疹ができる病気を言います。
見た目はニキビのような膿疱(のうほう)ができる、米粒状の丘疹(きゅうしん)ができる、皮膚がただれてびらん状態になるなど様々です。
膿皮症はガンなどの腫瘍ではありませんが、素人判断では診断が難しいため必ず医師の診断を仰ぎましょう。
膿皮症の原因
犬の場合は毛穴の閉塞からくる細菌感染や洗いすぎ、間違ったブラッシングなどが挙げられます。
でもハリネズミの場合ははっきりとした原因がわからないことも多いのです。
実際キッドくんは膿皮症を繰り返してしまったため、細菌検査なども多く行いましたが原因特定には至らず。
結論「そういう体質な可能性が高いので様子をみる」となりました。
ハリネズミの病気は症例も少なく、まだわからない事が多いのじゃ…。
なんでかわからないけど、おでは2ヵ月に1回位のペースでブツブツできちゃうの!
膿皮症の動物病院での治療法
先にも挙げたように、ハリネズミの病気はまだ「これ!」と確定して診断できないものや治療法が探り探りなものが多くあります。
ここではキッドくんが実際に治療した内容を紹介します。
病気の症状や個体差があるため、これが絶対ではありませんので参考としてご一読ください。
抗生剤の投与
膿皮症の一般的な治療法は内服薬の投与です。
キッドくんの場合は抗生剤を朝晩2ml、2週間続けました。
キッドくんはお薬が苦手だったので、甘いシロップを混ぜてもらってシリンジで投与しました。
めちゃくちゃ美味しくてお薬タイムが毎日の楽しみだったよ!
服薬について
抗生剤は飲み切るのが基本です。
なので、症状がなくなったと思っても処方された分は必ず飲み切るよう言われました。
ただ抗生剤は短いスパンでくり返し飲むという飲み方が一番よくないそうです。
短いスパンで飲むと体に抗体ができて抗生剤が効きづらくなってしまうのじゃ!!
ハリネズミに効く抗生剤は数が少ないので、いざというときの選択肢を減らしたくないですよね。
ドクターからは1回投与したら最低でも2ヵ月は同じ薬の投与は避けてほしいと言われました。
※ハリネズミの病気の種類や症状により、これに当てはまらない場合があるため、薬のことは特にかかりつけ医にしっかり確認しましょう!
キッドくんの膿皮症は痒みを伴わないものは、自然にかさぶたになって治ることがほとんどでした。
現在は重症化しなさそうな場合は、服薬はせず様子をみるようにしています。
塗り薬を塗布
実のところ、わたしは塗り薬をあまりオススメしません。
舐めても問題ないというお薬をいただきましたが、キッドくんは舐める舐める!
キッドくんの場合、気になって患部を舐めたり噛んだりして、症状の悪化を招きました。
塗り薬は相性が左右されますので、ドクターとよく相談して使用を検討しましょう。
薬浴をする
薬浴とは、皮膚を保護しながら汚れを落とせる薬液の入ったシャンプーで洗ってあげる方法です。
薬浴をする場合は、必ず医師の処方・指導の下で行うようにしましょう。
これは治療法というより予防法で、膿皮症があるときは沁みて痛そうだったのでしていません。
お風呂はハリネズミにとってストレスにもなるため、頻繁には行えないのも難点です。
キッドくんの膿皮症、その後の治療経過
左前脚だけだった膿皮症が他の脚にも移って3つになりました。いずれも痒みはなさそうで、薬も徐々に効いてきました。
次第にかさぶたになって膨らみました(血腫になったのではと心配していましたが、ただのかさぶたでした)。
1週間くらいして自然にかさぶたがポロリ!
周りの毛も一緒に抜けましたが、幸い跡には残らずキレイな元の状態に戻りました。
ちなみに……
かさぶたは全部おでが食べちゃったの!
膿皮症再発とキッドくんの症例
キッドくんはその後も原因不明で何度も膿皮症をくり返しています。
その時々で症状が違ったので、いくつかの症例を紹介します。
※出血後のかさぶたを伴う写真が出てくるので、苦手な方は閲覧を控えてください。
痒みを伴う膿皮症
写真はキッドくんがかかった膿皮症で一番症状がひどかったものです。
同じ左前脚にできたにも関わらず、このときは痒みが強く自分で噛んでしまったため患部がえぐれてしまいました。
ハリネズミはちょっとしたことで自咬症(皮膚を噛むなど自分の体を傷つける自傷行為)を起こす可能性があります。
このままキッドくんが患部を自分で噛み続けてしまったら断脚の可能性があると言われましたが、なんとか噛まずに完治することができました。
膿皮症はとにかく色んな場所にできる
膿皮症は体の柔らかい部分にできやすいそうです。
キッドくんは脚以外にも脇の下、お尻、お腹、ほっぺ、耳、そしておちんちんにまで!とにかく色々な部位に膿皮症ができました。
多いときには一度に耳に3つも!
おちんちんは特に痒かったよ!
膿皮症と間違えやすい病気
膿皮症のような症状が出る病気として、他にもダニやカビの感染、骨折、腫瘍などが挙げられます。
ダニや真菌症の場合は一部分を痒がるというより、体全体を痒がることが多いです。
骨折の場合は脚を引きずるなど、歩き方に変化が見られるでしょう。
腫瘍は赤黒くなり膿皮症より広範囲に腫れることも多く、痒みを訴えることはあまりありません。
しかし残念ながら素人判断では見分けがつきにくく、膿皮症の特徴である膿のデキモノも掻きくだしてびらん状になると、見た目だけでは判断できなくなります。
適切で正確な処置をするには、腫れている箇所を見つけたら早急に動物病院を受診するようにしましょう。
細菌検査やレントゲン、超音波などで適切な診断が可能です。
おわりに
皮膚の腫れやデキモノを見つけたら、素人判断はせずすぐに病院へ!
「いつから」「どんな症状で」を正しく医師に伝え、診断を仰ぎましょう。
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