おで血尿が出ちゃったの……。
ハリネズミの血尿にはさまざまな原因があるのじゃ!
原因究明のためにも尿を採取しておくと役に立つよ!
いずれにせよ早めに動物病院を受診することが大切なんじゃ!
ある日キッドくんが血尿を出してしまいました!
ここではおでのおしっこの写真が出てくるから苦手な人は注意してね!
ある日いつものようにケージを掃除していたら、トイレにいつもより色が濃いなというおしっこが見つかりました。
その日の夜、ペットシーツについたおしっこが少しオレンジがかった色に。
もしかして血尿かな?と疑惑を持ち始めたのはこのときでした。
そのときはまだおしっこを我慢してたから濃くなっちゃったのかな?と思っていて、食欲もあり元気だったため様子を見ていました。
しかし数日間、濃いめのおしっこが続いた後に、ついに黒っぽいおしっこがトイレのウッドチップに付着。
血尿と判断し、その日の夜におしっこを採取して翌日に動物病院を受診しました。
先に結論を言うと、キッドくんの血尿は尿石症によるものでした。
血尿が起こる原因はいくつもあるので、正確な診断のためにも早めに動物病院を受診するようにしましょう。
ハリネズミの不調にいち早く気づけるのは他でもない飼い主さんだよ。
毎日の健康チェックで不調を見逃さないようにしてあげてね!
血尿で考えられる原因は年齢や性別にも関わりがあるから、詳しく見ていくのじゃ!
ハリネズミの血尿の原因
ハリネズミが血尿を出すのは、いくつかの原因が考えられます。
年齢やオス・メスによっても考えられる選択肢や優先度が変わってくるため、自己判断はせず速やかに動物病院を受診するようにしましょう。
膀胱炎
膀胱が細菌感染を起こすとなる病気です。
結石や不衛生な環境などが病気を引き起こす要因と考えられています。
水分摂取量が少なかったり、おしっこを溜めすぎていたりしてもなりやすくなるため、飼い主は日ごろから飲んだ水の量や排尿の頻度をチェックしておきましょう。
飲んだ水の量をわかりやすい給水ボトルを選ぶのがおすすめじゃぞ!
尿石症
キッドくんがなってしまった病気です。
尿路(腎臓や尿管、尿道など)に結石ができてしまう病気です。
栄養バランスが悪かったり、ミネラルの過剰摂取だったりと要因はさまざまですが、生まれつき結石ができやすい体質の個体もいるため、原因ははっきりしていません。
ちなみにおでの原因は元々の体質によるものかなって診断されたよ!
慢性腎不全
主にシニアのハリネズミがかかりやすいといわれる病気です。
血尿以外に水をたくさん飲む、むくみ、食欲不振などの症状が併発される場合があります。
メスの生殖器の疾患
メスが血尿を出したときにまず疑われるのが、子宮系の疾患です。
年齢が進むにつれて子宮系の病気は増えていく傾向にあり、子宮がんなどによる腫瘍も多く見られます。
オスの生殖器の疾患
オスはメスに比べて生殖器の疾患はほとんどありません。
しかし中には床材やトイレ砂が陰茎に付着して炎症を起こす場合もあるため、ハリネズミが陰茎を気にする様子を見せていたら注意が必要です。
おでもこの頃おちんちんを気にするしぐさをしていたから、飼い主が心配してたんだ……。
キッドくんの治療法や経過について詳しく次のまとめているので、ひとつの治療例といて参考にしてほしいのじゃ!
血尿で動物病院を受診する前にしておくこと
動物病院を受診するときは、可能であれば尿を採取して持参するのじゃ!
動物病院で尿が取れるかわからないから、検査にまわすためにも持参できると安心だよ!
血尿に限らず動物病院を受診するときは、病状が伝わりやすいことが大切です。
そのため血尿なら尿、下痢なら便、ふらついている様子があるなら動画におさめるなど、伝わりやすい判断材料を持参すると受診がスムーズになります。
キッドくんの尿を採取するときは、まずペットシーツを逆に敷いておしっこが吸収されない状態にしておきました。
そして、
次に、このお醤油を入れる容器(タレビン)でキッドくんの尿を採取して持参しました。
タレビンは100均などで購入でき、蓋つきでこぼれないため安心です。
血尿の治療方法
ここに紹介しているのはあくまで一例です。
ハリネズミの症状によって治療方法は異なるため、動物病院のドクターとよく相談して治療を進めましょう。
膀胱炎の場合
膀胱炎と診断された場合、投薬治療が基本となります。
まずは尿検査をして診断を受け、薬として抗生剤や利尿剤を服用します。
薬を嫌がる、飲める元気がないなど薬の服用が難しい場合は点滴治療も有効です。
尿石症の場合
尿検査のほかにも、病状によってはレントゲンの撮影や超音波検査を行う場合があります。
そこで結石が見つかったら、結石を排出しやすくするための点滴や投薬を行います。
その場合は麻酔をかけて検査することがあるよ!
おでも全身麻酔をかけて検査したんだ!
麻酔は少なからずハリネズミの身体に負担をかけてしまうということは覚えておくのじゃぞ!
結石が大きい場合は手術も考えられますが、ハリネズミは結石のサイズが小さく、取り除くのが難しいためあまりおすすめできないようです。
慢性腎不全の場合
慢性腎不全の場合、完治が難しいため病気と共生していく方法が一般的です。
治療は投薬や点滴、強制給餌といった支持療法が中心となります。
メスの生殖器の疾患の場合
子宮がんによる腫瘍など、メスの生殖器に異常が見られる場合はレントゲンや超音波、血液検査や細胞の組織検査などを用いて診断します。
治療は投薬や点滴で支持療法を行う場合と、摘出手術を行う場合があり、病状や年齢によって治療法は異なります。
オスの生殖器の疾患の場合
オスの生殖器に異常がある可能性が場合は、生殖器の視診と触診を行います。
そのままでは見ることが困難なので、麻酔をかけた状態で陰茎を露出させて傷や炎症がないかをチェックします。
おでもこんな感じに麻酔をかけて調べてもらったんだ。
キッドくんのおちんちんの写真が出るので、苦手な方は注意していただきたいのじゃ!
陰茎に異常が見られた場合、投薬や塗り薬など症状や状態によって治療法を選択します。
キッドくんの血尿が治るまでの記録
採取した血尿を持参し、動物病院を受診しました。
見た目はちょっと濃いおしっこといった感じでしたが、尿検査をしたらばっちり潜血が認められ……。
キッドくんはオスのため、まず疑わしきは膀胱炎ということで抗生剤の投薬治療を開始しました。
幸いキッドくんは食欲もあり運動もよくしていて、血尿がある以外は健康体のためしばらく様子を見ることに。
2週間後、再度尿検査を行ったところ炎症の値は下がっているものの潜血はなくならず。
このときも食欲があり元気だったため、もう2週間投薬で様子を見て潜血がなくならなければ詳しい検査をしようということになりました。
さらに2週間後、尿検査でやはり潜血が認められたため詳しい検査をすることに。
ここで疑わしきは「尿石症」か「生殖器の疾患」に絞られました。
身体に負担はかかってしまいますが、しっかり検査をということで全身麻酔をかけてレントゲン・超音波診断・血液検査・視診・触診の検査のフルコースを丸1日かけて行いました。
診断の結果キッドくんは尿石症と判明
キッドくんのレントゲン画像を見て、病名が判明しました。
レントゲンを見ると、左右にひとつずつ結石があることがわかります。
これによりキッドくんは尿路に結石ができる尿石症と診断されました。
もともと結石ができやすい体質の個体もいるとのことで、なぜ結石ができたかまでは原因の特定ができませんでした。
治療法は尿路の結石がおしっこで自然に流れてくるのを待つことが一般的だそうで、結石と共生していくしかないそうです。
結石を手術で取り除くには身体的負担が大きく、結石も小さすぎて取り除けない場合があるので、今回は手術はなしとのこと。
投薬もあと2週間続けて、尿が薄くなっているようなら打ち切って様子見という結果になりました。
キッドくんの血液検査&性器の診断結果
若干の貧血はありますが、食事と水分がきちんととれていて元気そうであれば大丈夫とのことでした。
性器のほうも傷ひとつないきれいなおちんちんとのこと。
キッドくんのおちんちん写真はオスの生殖器の疾患のところで公開しています。
恥ずかしいぜ///
血尿のその後の経過
尿の色が薄くなってきたため、投薬は打ち切って様子を見ることにしました。
それからも何回か尿の色が濃くなったことがありましたが、再発せずに元気に過ごしています。
濃いおしっこが見られたときは、いつもより水分を多めにとれるよう配慮しています。
血尿の診断から治るまでかかった時間のまとめ
尿検査の結果「膀胱炎疑い」。
抗生剤と利尿剤を服用して様子を見る。
再尿検査でも潜血が認められ、同じ薬をさらに2週間服用することに。
服薬で改善が認められないため「尿石症疑い」と「生殖器の疾患疑い」で精密検査。
病名は「尿石症」と診断。
念のため投薬はさらに2週間延長に。
現在は服薬を中止し、様子見の状態。
キッドくんの血尿が見つかってから治るまでは、約2ヶ月ほど時間を要したんじゃ!
病名が診断されるまでも1ヶ月近くかかったね!
おわりに
ハリネズミの血尿の原因はさまざまです。
もし飼っているハリネズミの血尿を見つけたら慌てずに採尿をし、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
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